朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「ちょっ、はなして!」
「危なかった……逃すとこだった……」
「逃げたんだけど⁉ ふざけないで放して!」
「無理だ」
「無理でも放せ!」
「……今のは俺が悪かった。言葉を飛ばしてしまった。謝るしちゃんと話すから、逃げないでくれ」
「………」
真剣な声でそう言うと、咲桜は抵抗するのをやめた。
安心して、長く息を吐いた。
そして、いつかのように頭を撫でる。
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