朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「……どういうこと」
咲桜はいじけたように下を向いている。
言葉にしないと通じない。咲桜を前にすると痛切にわかる。
「……すきだから、恋人になりたいって思ったよ。でも、現状生徒と教師だし、偽物って前提があるから繕っていられる関係だともわかっている。だから咲桜が卒業したらそう言うつもりだった」
「……彼氏作れっていうの、撤回された記憶はないよ」
「咲桜に彼氏なんて出来そうになったらとことん邪魔してやるつもりだった。陰険なのは得意だからな」
「……くっ」
咲桜が吹き出した。
……怒っていたの、少しは解けただろうか。
この際だ。全部話してしまえ。
カッコつけていて咲桜に不埒者呼ばわりされて離れられるよりは、カッコなんてなくても全部話す方がマシだ。