朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「それは、咲桜の恋人には一番近いってことか?」
「うん」
それには素直に肯いた。
生まれた時からいるのが当たり前だった在義父さんと龍生さん、夜々さん以外で、『一緒にいて安心出来る人』というのは、初めて出逢った。
「友達より?」
「うん」
「……わかった。なら、それでいい」
私も、自分で見極めなければならない。
目の前のこの人は、自分にとってどんな人なのか。
今までの『ニセモノ』の関係は、もう続かない。
……流夜くんから伝えられた今、私は、ニセモノは続けられない。
「……このくらいはゆるしてくれるか?」
そっと、私の前髪を掻き上げ、流夜くんが口づけを落とした。