私の心霊体験談( 怖かったこと)
『あー…車の中、おかしなことになってるわ』



T先輩が、大きな声でつぶやいた。

顔を向けると、先輩は私をじっと見た。


『はなちゃんさ、" ウシロ "黙らせて。運転の支障になるから』



Kちゃんは相変わらず、手足をバタつかせていた。
運転席の後ろだから、確かに運転の邪魔になっていたのかもしれない。


「は…はい!わかりました!」


『俺は、“ マエ ”何とかするから』


マエ・・・?


そういうと、先輩は前を見たままY君に言った。


『静かにしろ』


しかし、Y君は話を止めない。


すると先輩は Y君の顔の前に左手をかざし、
聞いたことのない低い声で呟いた。


『 だ ま れ 』


―――カクンッ


Y君は目を閉じてうなだれ、眠ったように静かになった。


『次は、はなちゃんだよ』






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