なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
私の言葉に耳を傾けている。
その顔は、真剣なもの。
だから、私も素直な気持ちを伝える。
「まだ、ハッキリしてないからしっかり自分の気持ちをこうだって言えない……。そんな私でも一緒にいて良いの?」
戸惑いながらも、今の気持ちを言ったらそこにあったのは初めて見る谷村くんのやわかな微笑みだった。
こんな表情は初めてで、私の心臓はうるさくなる。
息苦しさに胸に手を当てていると、谷村くんはその表情のまま私に言った。
「素直に話してくれてありがとう。凄く嬉しい。ずっと脈が無いのかと思う程だったから……」
その言葉に、随分な態度だったと振り返って思う。
「でも、今日でそうじゃないって分かった。大進歩だなって。ハッキリ好きって言わせるくらい甘やかしてそばにいるから、俺と付き合ってください」
近づいて、そっと抱き寄せられた腕の中で私は恥ずかしさでいっぱいで声には出せずうなずくので精一杯だった。
こうして、どうやら私にはこの日を境に彼氏が出来たわけです。
人生初彼氏は、学校で人気のイケメン子犬系男子。
恋愛経験値底辺の私、これからどうなるのでしょうか?
とりあえず、そろそろこの密着も恥ずかしさで限界なんですけど!!
そう思いつつ、私達はネクタイを交換して教室から後夜祭の花火を一緒に眺めたのだった。