なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
そんな悠くんの言葉に、お母さんはニッコリ微笑んで出迎える。
「初めまして、やっと咲に彼氏紹介して貰えたわ。どうぞ上がってちょうだい」
そうしてリビングに通しソファーに座ってもらう。
私は母を手伝おうとキッチンに行けばお母さんに戻れと言われた。
「あんた、初めてのお家でひとりにしちゃ可哀想でしょ!」
と言われて、私は悠くんの隣に座った。
程なくして、お母さんはお茶を持ってリビングに来た。
「はじめましてね。咲の母です」
「はじめまして、谷村悠です。咲ちゃんとは同じクラスです」
「仲良くしてやってね。ちょっと頑固で大変かもしれないけど、可愛いとこ沢山あるから」
お母さんの言葉に、ビックリして真っ赤になりつつ悠くんを見れば少しホッとした顔。
「はい。今後ともよろしくお願いします」
頭を下げてくれる悠くんになんだか、胸が苦しくて温かい。
不思議な気持ちになった。
「咲。今日は楽しんでらっしゃい。ふたりとも気をつけてね」
少しお茶を飲んで話しただけで、母はあっさりと解放してくれたので車に乗り込んでお出かけとなった。
「やっぱり少し緊張した……」
運転席に座るなり、はぁと長い息を吐いた悠くんはそう言った。
「すごく堂々としてたし、受け答えもしっかりしててお母さん、安心したみたいだった。ありがとう、寄ってくれて」