なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
そうして、騒ぎから始まった一日はお昼休みが始まる頃にはすっかり学内に話が浸透したせいでやや沈静化した。
「とうとう山野さんは谷村と付き合い出して、副会長の里田くんは振られた」
という、学内注目だった三角関係についに決着が着いたということでもうあっという間に広まった。
それを後押ししたのが、私たちが昨日買ってお揃いで付けたストラップだった。
「さっそくお揃いの物を付けて、付き合いたてカップルは円満だ!」
という、なんとも言えない評判になってしまった。
だが、本人達が話すより噂が駆け抜ける方が早いってのは世の常なんだろうな……。
自分のことながら、ちょっとあまりの広まりの速さに遠い目をしてしまった。
そんな私は現在学食の端っこに席を確保している。
そこに定食とうどんを持って悠くんがやってきた。
もう、ここまで話が広がったならいっそ堂々と一緒にいる方が噂に真実味が出て早いかもねってことで現在学食です……。
割と騒がしい学食内からは、痛いほどに視線が飛んできている。
ついつい隠れたくなり、小さくなる私に悠くんはクスッと笑って言った。
「咲ちゃん。とりあえずご飯食べちゃおうよ」
私にうどんを差し出してくれた悠くん。
「ありがとう。うん、食べちゃおうね」
そうして話しながら私達はご飯を食べる。