なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!

「悠くん、クリスマスどんな服装でお邪魔したらいい?」

私の問いに悠くんは心得たようにひとつうなずくと、私の手を取ってドレスなどの並ぶお店に入っていく。

「咲ちゃんがちょっと躊躇うのは何となくわかるけれど、今年のクリスマス会は俺への縁談牽制も兼ねてさきちゃんとの仲を見せつけることもあるんだ」

そんな意図は聞いてなかったので、驚いて見つめるとバツが悪そうにしつつ、悠くんは謝った。

「ごめんね。やっぱり次男とはいえ将来は役員に就く道が用意されてるもんだから、他の企業のお偉いさんの娘とかと引き合わせようと躍起になられてて。兄貴の結婚も決まったから……」

なるほど。
いいお家というのも、いろいろしがらみやらがあるものみたいだ。

「御両親は、私なんかで良いって思てるの?どこかのご令嬢ととか話になってないの?」

私が聞けば、ブンブン首を横に振って否定する。

「俺の両親も恋愛結婚で、今回の兄貴もそう。祖父母もそうだから政略結婚なんてさせる気がないんだよ。だから彼女を連れていくって言ったら、ぜひ綺麗に飾ってあげて周囲をあっと言わせなさいって」

実にいい笑顔で言い切る悠くん。
それに
うなずく、春子と里田くん。

「それは、あれだね!咲を大いに飾ってギャフンと言わせる案件だね!」

力強い春子の言葉にうなずく男子ふたり。
こうして、私以上に気合いの入った三人に弄られることになった。
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