なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
お陰様で、試着を繰り返した私はぐったりだ。
綺麗なフレアワンピースから、ホルターネックのタイトワンピースやら試着しまくって私には淡いブルーのグラデーションのワンショルダーのタイトなワンピースに決まった。
もう、ぐったりすぎて何も言えなかった。
靴はシルバーの綺麗なヒール。
ここでだけはひと言物申した。
「そんなハイヒールじゃ歩けないと思う……」
そう言った私に、春子は言った。
「習うより慣れろの世界だから!今日からこれで慣らしなさい!」
拒否権のない言い回しに、うなずくほかなかった……。
そうして、ファーのショール、クラッチバック、アクセサリーまでひと揃い。
とても母がくれた予算では間に合わず、どうしようと思えば悠くんは言った。
「今回、うちの事情に巻き込んじゃうから俺がちゃんと出すから心配しないで。これくらいの甲斐性は見せなさいってのがうちの教育方針だから」
話に聞くだけだが、谷村家では母が最強っぽい。
お会いするのが楽しみで怖いなんて感情は初めてだ。
「当日は迎えに行くし、今年は山路と里田も招待してる。咲を一人にはしないから大丈だよ」
なんと心強いのか。
春子が一緒なら百人力って感じ。
すごくホッとして、私の表情はやっと緩んだのだった。