なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!

その後ろから更に声をかけてくる人物。
里田くんだ。

「おはよう。山野、今日の数学やってきてるか?今日当たる日だろ?」

私の出席番号は35番。

数学の先生は授業で当てるのをカレンダーの数字に関連して当てる。
今日は30日。
30番台はみんな当たるし、3と13も当たる。

里田くんは13番。
今日同じく当たる可能性のある日だ。

「もちろん。やってきてるよ。自信があるかと聞かれるとないけれどね。数学苦手だし……」

とりあえず、普通の話を振られたので普通に返す。
でも、内心はなにを言い出すかとビクビクしていたのは言うまでもない。

谷村くん以上に狡猾そうなのが里田くんだ。

なにせ、定期テストの順位は常に学年二位。
俺様生徒会長と万年ツートップを誇る、我が学年の秀才である。

確か、この学校では珍しくセンター試験を受けて国立大を目指しているとの話を耳にした。

本当に秀才。
私なんて指定校推薦狙いでこの三年内申点を維持することに力を注いでいただけなのだから。

頭の出来が違うのである。

なのに、その秀才な里田くんがなんで谷村くんと同じようなことを言ってきたのか……。

好かれる要素なんて思いつかないから、ただただ驚くしかなかった。

しかも、追う足も速いとかさ……。
なに、クールなイケメンには死角無しなの?!

とりあえず逃げたい気持ちでいっぱいである。
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