なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
こうして昼休みにもなにかがゴリゴリ削れたけれど、どうにか無事に授業は終わった。
あとは春子とふたりで帰るのみだ。
絶対ふたりとは最低限の会話のみでやり過ごしてみせる。
私はなんだかよく分からない方向にやる気を出していた。
本人は至って大真面目である。
SHRも終わり、待ちに待った大型連休。
これで暫く心の平穏が保たれると、私は内心安堵しつつ春子に声をかけるべく席を立つ。
「咲ちゃん、また休み明けにね!」
ニコッと爽やか系に本日より転身した谷村くんが声をかけてきた。
予想とは違いあっさりした言葉に内心拍子抜けしつつも、私も言葉を返す。
「うん、また休み明けにね」
そうして、朝とは違い実にあっさり谷村くんは帰って行った。
「山野。また休み明けにな。あ、俺たち諦めたわけじゃないから。休み明けからまたよろしく」
里田くんがあっさりした言葉の中に、爆弾落としてあっさり帰っていた……。
え?私の平穏は連休だけですか?
これちょっと逃げただけじゃん!?
しかも逃げ切れてなくて猶予が出来ただけ?
「だれか、嘘だと言って……」
そんな私の言葉に、春子はニッコリと笑顔で言った。
「残念ながら彼らは本気だね。もう、いろいろ諦め時じゃない?」
その言葉に、私は断固として首を横に振り認めたくないという意思表示をした。
「ま、咲よりふたりのが要領良さそうだし。分が悪いだろうね」
こうして、私は仮初な平穏連休に突入したのだった。