なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
何とか、無事に教室にたどり着くとそこには親友の山路春子が居た。
「おはよう、咲。なんかあっという間にすごく話が広がってるわよ?」
可愛い顔に、ニヤリという笑顔を乗せて聞いてくる。
こんな時の春子は親友だけど悪友の顔を見せる。
「話してくれるよね?もちろん?」
私の親友は楽しいことが大好きな辛辣毒舌女子だ。
可愛い系統の顔に騙されることなかれ……
彼女の言葉に比べたら、さっきの女子の集団の視線なんて可愛いもの……。
春子が放てば言葉はナイフ所か軽く手榴弾、下手したらバズーカである……。
それで撃沈していく男子を、この二年でどれだけ見てきたことか……。
その矛先が、現在私に向いているわけで……。
逃げ出したい!全力で!
私は、いつになく引きつった顔をしている自覚をしつつ言葉を返す。
「春子さんや、ここでは無理だし話せば長い。放課後でいかがでしょうか?」
「咲さんや、この私がそんなに待てると?」
デスヨネー……
ニッコリ笑う春子に、項垂れながら私は諦めた。
口で春子に勝てるわけがない……。
「いつものところ、昼休みで……」
力無く言うと、その可愛い顔にパァと笑みを浮かべて春子は言った。
「そうこなっくっちゃ!あぁ、楽しみ」
鼻歌でも歌いそうな春子とは対照的に、ひたすらガックリ肩を落とす私が朝の教室の片隅にいた。