なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
さぁ、今日は今日はのんびりするべく帰ろうと支度をしたところに声が掛かる。
「咲ちゃん!夏休み一緒に遊びに行かない?」
そう、唐突に声をかけてきたのは谷村くん。
「え?私忙しいから無理!」
サクッとした返事に、びっくりして目を見開く谷村くんに私も驚く。
いや、だって君の誘いに了承するだけの選択肢じゃないでしょう?
なんで断られるって想定がないんだ?
そっか、断られたことないもんね……。
イケメンはこれだから嫌だよ。
「え?少しも遊べないの?」
くいさがるなぁ……。
「受験勉強と車の教習で忙しいから無理!じゃあ、また新学期に!」
そう、サラリと流して私は春子と教室を後にした。
うん、自分の予定を素直に言ったんだから問題ないよね?
ないともー!!
はい、私の脳内会議劇場完了!
「咲、ちょっとハッキリ言ったわね?」
春子が少し心配そうに言うので、私は首をかしげつつ答える。
「だって予定があって忙しいのは事実だし。なにゆえ休暇まで会わなければいけないの?付き合ってもないのに……」
私の素直な気持ちを言えば、春子はうんうんと頷きつつも言った。
「確かに咲は素直に言ったし、忙しいのも事実だし。でもね、あのメンツの前でハッキリ言ったらあんなにアタックしてる谷村に応援が集まるよ?」
言葉を飲み込むのに少し時間がかかった……。