なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!

帰宅して、その日は思い立った悪いことを忘れるべく大好きな本に熱中した。

そうして、翌日。
いつもの様に起きて、ご飯を食べると家を出で教習所へと向かった。
持つのは筆記具、ハンカチ、日傘、水筒。

今日は座学三時間である。
終わったら即帰る!
自分に言い聞かせて、サクサクと歩いて電車で一駅隣へ。
そこで降りて駅を出で割とすぐ近くにある教習所へと、無事にたどり着いたのだった。

朝一番の授業なので、そこまで人は居ない。
ホッとして座って始まるのを待った。

順調に受け終えて、三時間後。

時間はそろそろお昼。
今日はこれでおしまいなので、一気に荷物を片付けるとそそくさと教習所を後にした。

今日はそこまで警戒しなくて良かったかと出口から駅に向かって歩き出した最中、背後から声をかけられる。

「咲ちゃん、今日は終わったの?」

ギギギというのが当たるようなぎこちない動きで振り返った先には、笑顔の谷村くんが居た。

だから、なんでここにいるの!!

「俺も明日からここに通うんだ、時間が合ったら駅前で一緒にお茶でもして帰ろうね!」

そう言うと、さらっと教習所の中に入っていった谷村くん……。

誰か、嘘だと言ってくれ……。

マジか、そうなのか、マジなのか……。

もはや驚きすぎて語彙力はどこか彼方に行ってしまったのだった……。
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