なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!

「咲ちゃんと花火見たかったからね。里田と話し合って半分づつ出して用意してたんだ」

「ゆっくり見るならその方が良いかと思ってな」

ちょっと、このイケメン達気遣いも抜群ってどういうことよ!!

こんなん普通の女子がされたらメロメロでしょうがよ!

「言ってくれれば、私だって出すのに」

しかし、私の口から出たのはこんな可愛くない言葉。

それなのにふたりは微笑んで言う。

「俺達が咲ちゃんと見たいっていう我儘なんだから、そこは言わないでしょ?」

「サプライズってやつだ。成功で良かった。断られることも考えてたからな」

なんで、こんな男子が私に向き合おうとしてるんだろう。
他にも好かれてるはずなのに……。

あんんまりにも可愛くない態度はよろしくないきがしてきたので、私はほんの少し天邪鬼な可愛くない自分を脱いで答えることにした。

「こんな良い席で見られるなんて思ってなかった。ありがとう……」

私の顔は赤くなっているだろう。
夕暮れになって暗くなってきているのが救いだ。

「咲ちゃんが喜んでくれたなら、それが俺らも嬉しいから」

「今日一緒にここに居てくれる。それで十分だ」

中身までイケメンすぎて、このふたりにどう向き合えば良いのかほとほと困った事態になったと思ったのだった。
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