なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
「そっか。里田も谷村もなかなか前途多難だなぁ。なにせ、相手が超恋愛初心者だもんね」
ニコッという春子に私はブスっと答える。
「悪うございましたね!どうせ初恋もまだの貴重種ですよーだ!」
そんな会話をしつつふたりのお皿の甘いものはサクッと消えていった。
「どっちにしろ、我が校の恋の時期な文化祭は試験が終わればすぐそこだからね。あのふたりがこの好機逃すわけがない。咲、頑張れ!」
おい、何故それを明後日の方を見て言う?
そう思って声をかけようとしたら、テーブル側の窓ガラスをコンコンと叩く音がした。
ギギギとそちらに顔を向ければ、そこには人懐っこい笑顔を浮かべた谷村くんが居た。
一気に脱力したのは言うまでもない……。
どうやら、入ってくる気のようだ。
女子トークは封印である。
お店に入って、店員さんに声をかけられてる姿が見えた。
そして、案内を断ると谷村くんはこちらにやってきた。
「咲ちゃん、お疲れ様。相席いいかな?」
谷村くんは春子に相席を聞く。
「もちろん、構わないわよ」
うん、ふたりともいい笑顔だね……。
私は逃げ出したくなった。
もちろんそれは無理だったのだが。
「試験終わりに甘いもの食べに行くなら声掛けてくれれば良かったのに!僕も注文していい?」
「どーぞ……」
返事をして、メニューを渡す。