どこまでも鬼でありたい
1日を十年繰り返した

 瞳を開けなくても、視界の外はよくわかる。

 変わらない鉄の壁に背を預け、首に繋がった鎖を鳴らした。

 枷はあれど、繋がる先はない。

 わかっていた。

 逃げ出したとて、いく先もない。

 逝く宛も、生くあてもない。

 わかっていた。

 灯りのささないここの名は牢獄という名のついた楽園。

 自身を縛るモノはあれど、自身を傷つけるものはなにもない。

 ここは、外よりよほど楽園に近い。


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