【短】失恋 未練 涙の約束
「拓海だって好きな人出来るかもしれないよ。そのまま結婚するかもしれない。そんな約束しちゃ駄目……」
「俺は!!」
普段から声が大きいのに、まるで応援団かのように声を張り上げる拓海に少々ビクつく。
怒られているんじゃないかって勘違いしてしまう。
「亜由菜が好きだから!」
「え。ちょっと待って」
「中学の時は確かに、違うやつが好きだったけど! 今は!! 亜由菜が好きなんだよ!!」
失恋した後だって言うのに、タイミング的におかしいって気づかないかな?
そんな大きな声で言うから恥ずかしいし、どう答えていいかわからない。
「拓海、あの……」
「好きなんだよ、亜由菜!!」
「わかったから。大声、やめて」