【短】失恋 未練 涙の約束

「拓海だって好きな人出来るかもしれないよ。そのまま結婚するかもしれない。そんな約束しちゃ駄目……」

「俺は!!」



 普段から声が大きいのに、まるで応援団かのように声を張り上げる拓海に少々ビクつく。
 怒られているんじゃないかって勘違いしてしまう。



「亜由菜が好きだから!」

「え。ちょっと待って」

「中学の時は確かに、違うやつが好きだったけど! 今は!! 亜由菜が好きなんだよ!!」



 失恋した後だって言うのに、タイミング的におかしいって気づかないかな?
 そんな大きな声で言うから恥ずかしいし、どう答えていいかわからない。



「拓海、あの……」

「好きなんだよ、亜由菜!!」

「わかったから。大声、やめて」

< 10 / 15 >

この作品をシェア

pagetop