【短】失恋 未練 涙の約束
「で? 楠木は体調どうなの?」
「はい。少しよくなりました」
保健室の先生に私は適当に答える。それを聞くと、拓海の担任がため息をついた。
「お前の馬鹿でかい告白、全部聞こえてたぞ」
私たちは同時に顔を見合わせ、みるみる赤くなっていく拓海を見たら私まで熱くなった。
確かに叫ぶように告白していた。
それが授業中だったのなら、尚更聞こえていたに違いない。
「いやー。おめでとう。とにかく授業に戻れ」
「先生! そんな気のない言い方しなくてもさ」
「よかったじゃないか、これからテストで苦労することがなくなるな」
担任に肩を組まれて、連行されるようにベッドから引き離される。
さっきまであった拓海の手の温かさがまだ残っていた。