【短】失恋 未練 涙の約束
「好きな人、いたんだな」
「……うん」
「いつから? 入学してから?」
「うん。二年半になるのかな」
拓海が隣に座る。いつの間にか大きくなった手が私の手に重なる。
「私、たまたま見ちゃったの。彼が告白されて二人で仲良く歩いていって。すごく苦しかった」
素直に言えば、何か気持ちが楽になった気がする。ずっと心で燻っていたものがなくなっていくような……。
私、多分。失恋したんだって、気持ちを整理し始めてる。
あれだけ好きだったのに、どうしてこんなにあっさりしているんだろう。
「何か、泣いてスッキリしたかも」
「相変わらず、立ち直り早いな!」
「相変わらずって?」