【短】失恋 未練 涙の約束

 どういうことだと拓海を見れば、あきれたと言うように深いため息をついた。



「中学の時。思い出さないか?」

「え? 中学? なんだった?」

「……亜由菜さ。結構、冷めてるよな」

「うぐ……」



 それは否定出来ない。私って大騒ぎするくせに、次の日になればさっぱり忘れちゃうタイプ。


 覚えてはいるけれど、本棚にしまうみたいに整理しちゃうんだよね。
 やっぱり、冷めてるかな……。



「俺たち二人、好きな人いただろ。で、その二人が付き合ってさ」

「あ。私たち同時に失恋したんだったね」



 思い出した。美男美女のお似合いな二人だった。


 そっか。私、あの時も大泣きして拓海に慰めてもらった。すごく寒いのにヤケになってアイス食べてお腹壊したんだ。


 私は次の日には元気になってたけど、拓海は失恋からなかなか立ち直れなかったんだったね。

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