欲しいのは、たったひとり。
朝のSHR終了のチャイムが鳴り終わるとき、私は教室へ入った。


完全遅刻だけど、入っても何も言われない。

ま、今も地味な格好をしてるし、もともと目立たないし。


・・・・・・なんて正常心を保っていても、心は落ち着かない。


心臓バクバクいってんだよ! ずっと!


心臓を落ち着かせながら席に着く。


下を向いてうつむいていると。


「ねぇ、東城さん? あなた、どこのご令嬢でらっしゃるの?」


うつむいていた顔を上げると、3人の女子生徒がいた。

あ、ちなみに『東城』という名は、私の偽名。 『青城寺』の名前では、青城寺グループの令嬢だとか思われそうだから、『東城』の名前で担任に通してもらっている。


一応、前まで令嬢という肩書きだったけど、今は違うので、再びうつむく。


< 25 / 110 >

この作品をシェア

pagetop