欲しいのは、たったひとり。
「うん、そうだけど」


ど、どうしてなんだろう。 でも、あまり詮索するのも良くないよね?


「ははっ、七乃。あんまり俺に詮索しないでおこう、って思ったよね?」

「え。ど、どうしてそれを・・・!」


私の心を読み取る何かなのか! 桜野くんは!


もちろん、そんなわけがない。


「だって、七乃のこと好きなんだもん」

────ドキッ


「へ・・・・・・・?」

「ふっ、可愛いね、七乃」


そんなに簡単に好きって言われたら・・・・!


「ドキッてしちゃうよ!」

「ありがと、ドキッてしてくれて」


な、な、何を言ってんの──!


マスクの中が熱い! 熱すぎる!


両手で熱い頬を必死で冷ます。 けど、全く冷めてくれない。

「ふふ、可愛い七乃。 食べよーよ、お昼ご飯」

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