欲しいのは、たったひとり。
途端、桜野くんの顔が赤くなっていることに気づいた。


「桜野くん、大丈夫? 顔赤くなってるけど・・・・」

「っ、いや、何でもない!」


どーしたんだろ? まっ、いっか!


お得意の自己完結をさせ、フェンスにもたれかかる。

すると、また桜野くん、「あっ」と言って。


「そーだ!七乃、スマホ出してっ」

「へっ?スマホ?」

「そーそ。 早く早く!」


桜野くんがポケットからスマホを出したので、私もスカートのポケットからスマホを取り出した。
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