欲しいのは、たったひとり。
「ちょっと聞くけど。 あんた、お昼どこに行ってたのー?」


お昼、お昼・・・・・・あーー。


お昼といったら、あれだ。 陽日くんだ。


ちょっと言いにくいなー。


なんて思いつつ、また俯く。


「っ、ほんとあんたってムカつく!」


またリーダーの女子が出てきたよ。


「あんた今日桜野くんと一緒にいたでしょ! 私知ってるんだから!」


リーダーがそういった途端、横にいた子分の1人がどこかへ行き、もう1人の子分は私の前に来て、耳元でささやいた。


「あんた、ウザイの」


と言って、マスクを乱暴に奪い、私の頬を叩いた。


「痛った・・・・・」


また痛がるフリをした。 本当はそんなに痛くない。 こんな痛みに耐えないと、やってられないしね。


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