欲しいのは、たったひとり。



しばらくして、男子棟の寮の前に来た。


「あのー、異性の寮には行っちゃいけないって校則に書いてあったよ?」

「うーん、別にバレなきゃいい話でしょ?」


まじかー。 チャレンジャーだね、陽日くん。


いや、別に陽日くんがチャレンジャーだとかは、どーでもいい。


だが!


「今私はどこに向かっているんでしょうか」


ソワソワしている私とは裏腹に、陽日くんはズンズンと進んでいく。


「俺の部屋に決まってるでしょ」

「あぁーー、はい」


そっかー、決まってるんですね。


どうやら、陽日くんの部屋は1階らしい。


「さて、着いたよ」


1階の一番奥の部屋に着いた。
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