欲しいのは、たったひとり。
脱衣所から出て、リビングへ入ると、陽日くんは黒のレザーソファに座っていた。


「あ、あの・・・・陽日くん」

「う、うわっ」


え・・・・、うわってなんだよ・・・・。


「これ、着てよかったの?」

「あ、ああああああ当たり前だ・・・・よ!」


ん? 『あ』多くない? てか、顔赤くない?


「ふーん、そっか。 これって妹さんか誰かのなの?」

「んー、まぁそうかな」


へー、陽日くんに妹さんとかいたんだ!


「何歳なの?」

「あー、中1」

「ふぅん。 名前は? 何ていうの?」

「爽陽(そよ)。爽やかに太陽の陽。」

「へ〜! 可愛い名前!」
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