欲しいのは、たったひとり。



私たちが来たのは、スーパー『タクサン』。

そう。私が春学に来て買い物に行った、あのスーパー。


相変わらずたくさんの種類のショップがあり、多くの人で賑わっていた。


私たちが向かったのは食品売り場。


「今日はなんの晩御飯にするの?」

「んー、よく分かんないから七乃が決めてよ」

「はい、無理!自分で決めなさい!陽日くんが自分で晩御飯を作るって言ったんでしょ?」


私がキッパリと言うと、陽日くんは
観念して「はーい」と言った。

うむ。よしよし。


「じゃあまず、何を作るかを決めて」


私がそう言って、少し考えると思ったが、
陽日くんは即答で


「カレー」


と答えた。


「そ、即答だね。カレー好きなの?」

「んー、まぁね」


ほぉ〜。陽日くんはカレーが好きなんだね・・・。覚えとこう。





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