欲しいのは、たったひとり。
「じゃあ、材料を探そっか!」


私は思わず楽しくなって、笑顔になった。

単純だよね!


私は陽日くんの後ろに付いて行く。


「え、七乃なんも言ってくれないの?」

「当たり前でしょ」

「えぇー」


これが教育というやつなのか。なるほど。

陽日くんは育て甲斐がありそうだな。


「陽日くんの食べたカレーには、いつも何が入ってたか思い出したらいいよ!」


私から少しアドバイス。


「んーと、牛肉はシャトーブリアンで、
野菜はうちの菜園で採れた野菜で、カレーのルーはシェフの手作り。たまに牛肉の種類はサーロインやヒレになることもあるかな」


い、いや、もう牛肉の時点でついていけない。シャトーブリアンとはなんですか!?

菜園でとれた野菜とかついていけないし、
カレーのルーが手作りとかもはや未知すぎるし、サーロインにヒレって焼肉に使えよ
って思うし!カレーにサーロインとヒレ使うんなら焼肉には何を使うの?って思うしね。


「わ、分かった・・・・から、とりあえず
このスーパーに売ってある材料を見て考えてね・・・」

「分かった〜」


呆気にとられる私。
それに普通に返す陽日くん。

ほんとに一体陽日くんは何者なんだろう・・・・。



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