欲しいのは、たったひとり。
うん、まずは──────連絡を取る!



ブレザーにポケットに腕を突っ込むけど。あれ。



ない。ない。ない。なぜ。




スカートのポケット────にもない!!!!!




「なぜだああああああああああああ!!!」




スカートの両方のポケットにもなかった。
朝入れてきたんだけど!!!




──────と、そこでふと気づく。




スクバ、いつの間にかあの女子に取られてる。




そう。あれだ。




ここに、取り巻きの女子に押されたとき同時に取られたんだと思う。



それまでは肩にかけてたはずだから。





「まじかよおおおおおおおおおおおお!!!!!」




なんて、無心にそう叫ぶけど聞こえないんだよね。





ほんと、私ってドジだよねっ(美少女ドジっ子風




あぁ!やめよやめよ、こんなことしてる暇はないのに!!!




うう、でもどうしたらいいか分からない!!




陽日くんは先に学校に行くって言ってたから、もう授業を受けてるんだろうな。




私には女友達がいないし、自分のことを素直に話せる相手なんていないから。




こうやってピンチに陥ってるときだって、誰にも助けてくれないんだよね。




昨日の陽日くんは、偶然だよね。うん。
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