欲しいのは、たったひとり。




青城寺家で1番大きい家を持つ、おじい様の家に行ったとき。



私は初等部3年だった。



七瑠と、おじい様の家でかくれんぼをしていたときだった。




お手伝いさんに、お菓子を用意してるから1階に降りてきてください、と呼ばれて私たちはかくれんぼを中断した。




そして、4階のエレベーターに2人で乗りこんだ。




そこまでは良かった。





私が開閉ボタンを押した、その途端エレベーターに点いていた電気が一気に消えた。





もちろん、私にも七瑠にも何が起こってるか分からなかった。




とりあえず、また階数ボタンを押してみたけど、何も反応しなかった。





エレベーターのドアは閉まっていて、当然力ずくで開けようとしても開くわけがない。




この時も、七瑠と一緒に死ぬのか、と考えていた。




「「誰かああああああああああああ!!!!助けてくださいいいいいいいいいい!!!!」」




七瑠と一緒に精一杯そう叫び続けた。
でも、誰も来なかった。





叫び続けて、力尽きたからなのか七瑠と同時に涙が出てきた。




叫んだ後は泣くって、しんどい姉妹だよね。
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