欲しいのは、たったひとり。
隣のクラスを覗いたけれど、もちろん七乃の姿はなかった。




どこにいるんだろう。




きっと、あの女子3人に聞けば早いけど、すぐに口を開いてくれないことは分かっている。





1度校舎内を探してからあいつらに問うしかない。




まず、3階にある教室を見て探していく。




全ての教室の中に入って見てみたけど、どこにもいない。
そして、七乃らしい物も何も見つからない。





それから俺は、2階、1階、4階、5階にある教室をそれぞれ回ったけど、何もわからなかった。




その途中、先生に声を掛けられたけど俺の足は止まらなかった。





でも、いつも態度良くしてるから許してくれると思う。





本当に、どこを探してもいない。



まぁ、嫌いな人を陥れるんだから見つかりやすいところに閉じ込めるわけないか。




俺は、七乃を嫌いな人なんて1度も1ミリも思ったことないけど。




多分、七乃の好きなところを話してと言われたら、1時間はつぶれるだろう。





と、こんなことを考えていても七乃は見つからないから足を速める。





早く見つけないと。
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