欲しいのは、たったひとり。
そんな場所に閉じ込められているのか。




早く、助けないと────。




「だ、から、その鍵、これです.......」




彼女のブレザーのポケットから取り出されたのは、2つの鍵。




片方が第三会議室、もう片方が第三会議室の中の部屋の鍵だと理解した。




それを受け取り、俺はすぐに第三会議室へ向かおうとしたけど、彼女に腕を引っ張られ足が止まった。





後ろを振り返ると、3人が頭を下げていた。




「あ、あの........」




俺が声をかけても、顔を上げることのない3人。




「すみませんでした!」




そう3人で声を揃えて言った。





俺は3人に無言で頷いて、第三会議室へと走って向かった。







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