欲しいのは、たったひとり。
ドアが開いたのと同時に、息を吸って




「ごめんなさい大変申し訳ありません七瑠のプリンを3個食べてしまって本当に申し訳ありませんでした地獄行きだけは許してくださいーーー!!!!」




言い切った。




ピシッと頭を下げ、目をぎゅうっとつぶった。





すると、突然抱きしめられた。




へ........?





何が起こっているのか、理解が追いつかなかった。




地獄の番人、私のこと抱きしめる必要ってあるのかな.........?





「よかった、よかった、よかった............」





え?何で地獄の番人が陽日くんの声に似てるの?



幻聴?





え、私を抱きしめている人ブレザー着てるよ?




私は、勇気を振り絞って声をかけてみた。




「あの、あなたって、誰ですか?」





私がそう言って、顔を上げたのは────





「ひ、陽日くん.......!」




“陽日くん”と口にした途端、私は涙が溢れて止まらなかった。



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