欲しいのは、たったひとり。
「許せないな」
私が、朝から今までのことを話し終わると、陽日くんの1言目がこれ。
「でも!さっきも言ったけど、陽日くんが助けに来てくれたでしょ?」
終わりよければすべてよしって言うしね!
「まぁ、それもそうだよな.........」
うん!納得してくれたよね?
「でも!七乃に直接謝ってもらわないと気が済まないから、謝ってもらうよ?」
「わっ、わかったよ〜」
渋々承諾しました。
「まぁ、それより。どうして俺が地獄の番人?」
陽日くんは軽く微笑んで私に尋ねた。
ギクリ。
やっぱり、それを聞かれてしまう。
「そっ、それは、急に第三会議室のカギが開いて、びっくりして、それで私死ぬんだって思って、私が悪いことをしたから地獄行くんだ、それで地獄の番人.........です」
だって、急にカギが開いたら誰でもびっくりするでしょ?
それでちょっと思考回路が壊れてしまって..........。
私は陽日くんに呆れられてると思って、顔を上げられず俯いていた。
でも、頭上からクスッという笑い声が聞こえた。