欲しいのは、たったひとり。
高校初めての○○ができた



────3日後



昼休み、私は視聴覚室の前にいる。



それには、とてもとても深い訳がある。




まぁ、それほど深くないから言うけど。




3日前の、私が第三会議室に閉じ込められた件で。


それを仕掛けた女子3人組を陽日くんが呼び出して、今から謝ってもらうということ。




別に私は謝ってもらわなくても大丈夫って言ったんだけど、陽日くんはそれを断固拒否して、また強引に視聴覚室へと連れていかれたのだ。




「じゃあ、開けるよ?」


「........うん」




陽日くんに聞かれて頷く。



ガラッと開けて、視聴覚室の中心にいたのは3人組。




ううっ、空気が重すぎるよ..........。



不安になって俯いていたら、陽日くんは突然、




「てことで、俺は1回出るね」



と言って、ドアを開けて出ていった。



「え」



私は、その一言しか出てこなかった。




絶対私が怖がってること知ってるよね陽日くん!




と、私が陽日くんが出ていったドアに向かって恨んでも何も変わらないけど。

< 99 / 110 >

この作品をシェア

pagetop