ダイヤモンドの君は笑う
『いいの…?』
ミハナが、震える声でそう言った。
ココアの入ったマグカップが震えている。
『ミハナ、じゃまじゃない?』
『邪魔なもんか、歓迎するよ』
『そうよ、ミハナちゃん。
…お風呂に入って、温まったら、一緒にご飯食べましょ。シチューよ、ミハナちゃん食べれる?野菜たっぷりで栄養満点よ』
母さんが言いながら、隣で震えるミハナを抱きしめる。俺よりも小さいミハナは簡単に母さんの腕の中だった。
『でも…』
とミハナの目が俺に向く。
どきりとした。
目があったのは一瞬。ミハナがすぐに目を逸らしたのだ。
『泊まっていきなよ』
知らぬ間に、口がそう動いていた。
そうだ、泊まっていけばいい。
母さんの作るシチューは美味しい。
お風呂には、お気に入りのおもちゃがたくさんある。布団はいつも、母さんが洗濯してくれていて、お日様の匂いがする。
泊まっていけばいい。
もっと、ずっと、ここにいればいい。
会ったばかりの女の子。
自分よりも年下の女の子。
リンを助けてくれた女の子。
笑った顔が見てみたい。
そう思った。
『リンも、泊まっていけって。
ねっ、リン!』
自分のベッドで丸まったままのリンは、大きなあくびをしてまた沈む。
『ありがとう…』
女の子は、そう言って、濡れた瞳で笑った。
今にして思えば、これが恋に落ちた瞬間だったのかもしれない。
ミハナが、震える声でそう言った。
ココアの入ったマグカップが震えている。
『ミハナ、じゃまじゃない?』
『邪魔なもんか、歓迎するよ』
『そうよ、ミハナちゃん。
…お風呂に入って、温まったら、一緒にご飯食べましょ。シチューよ、ミハナちゃん食べれる?野菜たっぷりで栄養満点よ』
母さんが言いながら、隣で震えるミハナを抱きしめる。俺よりも小さいミハナは簡単に母さんの腕の中だった。
『でも…』
とミハナの目が俺に向く。
どきりとした。
目があったのは一瞬。ミハナがすぐに目を逸らしたのだ。
『泊まっていきなよ』
知らぬ間に、口がそう動いていた。
そうだ、泊まっていけばいい。
母さんの作るシチューは美味しい。
お風呂には、お気に入りのおもちゃがたくさんある。布団はいつも、母さんが洗濯してくれていて、お日様の匂いがする。
泊まっていけばいい。
もっと、ずっと、ここにいればいい。
会ったばかりの女の子。
自分よりも年下の女の子。
リンを助けてくれた女の子。
笑った顔が見てみたい。
そう思った。
『リンも、泊まっていけって。
ねっ、リン!』
自分のベッドで丸まったままのリンは、大きなあくびをしてまた沈む。
『ありがとう…』
女の子は、そう言って、濡れた瞳で笑った。
今にして思えば、これが恋に落ちた瞬間だったのかもしれない。