ダイヤモンドの君は笑う
そうだよね!という顔をして、金髪頭が、私の肩を抱いて微笑む。
「まぁ…」
「ほらぁ〜」
私の愛想のない肯定にも、金髪頭は花がほころびたように嬉しそうに笑うと、私の肩から腕を外し、パタパタと歩いていく。
「何組〜?」
「1組だ」
私の代わりに答えたのは先生。
見ると、さっきのことで少し悪びれているようで、少し可笑しかった。
「わぁお!同じクラスじゃん!じゃあ、案内してあげる」
「若宮ァ!廊下を走るな!!」
パタパタと走る金髪頭の後を先生がどすどすと早歩きで追いかける。
置いて行かれないうちに、私も二人の後を追いかける。
変な人たち。素直にそう思った。
変なのは特に金髪頭。
よく言えば人懐っこい、悪く言えば馴れ馴れしい。
派手な格好には不釣り合いな柔らかい笑顔に、自分よりガタイのいい大人を前にしても崩さない飄々とした態度。
それに…あの時。
×××××
『It didn't want to be away.』
『〜♪ へぇ
…じゃぁさ I won't separate.』
×××××
『離さないであげるよ』
彼は確かに、そう言わなかっただろうか。
「なにしてんのぉ〜。置いてっちゃうよ〜」
金髪頭もとい、若宮……変な人。