ダイヤモンドの君は笑う
私の言葉に、一瞬の静寂。
しかしすぐにクラス中は騒めいた。
「何今の…英語?」
「すごい流暢…てかなんて?」
「わかるわけないじゃん、そんなの!」
「帰国子女!!?どうりでモデルみたいだと思った…!あの髪色も…ハーフだから?」
「うわぁすげぇかっけぇ!」
次第に大きくなるクラス中の騒めきに
対して、たった一人だけ冷静に私を見据えてる人がいた。
窓側の一番後ろ、見覚えのある金髪頭。廊下で会った時、人懐っこい笑顔を浮かべていた若宮だ。
若宮は、片頬を付いて私の方を見据えたまま、他のクラスメイトとは違い笑いもせず、驚きもせず、ただひたすらに私の方を見ていた。
まるで、今私が言った言葉を理解していて、なぜそんなことを言ったのか探っているかのような眼差しだった。
「あーはいはい、そこまで!七原、お前の席は一番後ろだ。若宮の隣。わかるな?」
先生の言葉に一層クラスが騒めく。
「え、なになに顔見知り?」
「イチゴ!また抜け駆けかよ!」
「手ぇ早ぇ〜」
「嘘〜やだぁ、イチゴくん〜!」
注目が私から若宮に移る。
すると若宮は一瞬のうちに顔に笑顔を浮かべ立ち上がり可憐にポーズを決めた。