君がいたあの日

⑥居残

放課後。

図書室にいた。

いつものように、読みかけの
本を手に、椅子に座る。

「ガラガラガラ…ガラガラガ」

図書室常駐の先生。

尾崎先生だ。

50過ぎのおばさんだが、
正直、俺はこの先生が

好きだ。どこか、優しい。
素直に表現できないが。

どこか…。

「小林君。少し作業を手伝ってくれないかな???」

作業というのは、図書貸出票の整理。
どうやら、図書委員の係りの子が、

学校を休んでいるらしい。
「別に良いですよ。」

平凡な毎日を送っている、
俺にとっては、わずかな刺激でも、

それは「楽しみ」に変わる。

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