ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ
チンと到着を知らせるベルが鳴りドアが開く。
だが、エレベーターを降りた途端、私の足が止まった。
左右に並んだドアの前に、ズラズラと男女が立っていたからだ。
「なっ何事ですか!」
小さな悲鳴を上げながら副社長の顔を見上げると、彼は苦虫を噛み潰したような顔である一点を睨んでいた。
そして、「受付からの情報ですか?」と言うと、「行くぞ」と歩き始める。
「驚くものが見られると連絡があった」
「確かに驚いたが面白い」
男性陣は概ねそんな感想を述べながらニヤニヤしているが、女性陣は……目は口ほどにものを言うを実践するかのように、氷点下の眼で私を睨み付けている。怖っ。
「お前が女性をそんなに近くに置くとは……青天の霹靂だな」
美男美女の並ぶ中、一際渋カッコイイ中年の男性が声を掛けた。イケオジ代表みたいな人だ。
思わず「カッコイイ」と呟くと、隣からチッと舌打ちがする。
「こいつは僕に怪我をさせた奴です」
ザワッとその場がざわめく。
「だから世話をさせてやっている」
剣持さんに言った言葉を繰り返す。
「フーン、違うだろう。あまりに可愛いので側に置きたくなったんだろう?」
またチッと舌打ちすると「お見通しか」と副社長が忌々しげに呟いた。
だが、エレベーターを降りた途端、私の足が止まった。
左右に並んだドアの前に、ズラズラと男女が立っていたからだ。
「なっ何事ですか!」
小さな悲鳴を上げながら副社長の顔を見上げると、彼は苦虫を噛み潰したような顔である一点を睨んでいた。
そして、「受付からの情報ですか?」と言うと、「行くぞ」と歩き始める。
「驚くものが見られると連絡があった」
「確かに驚いたが面白い」
男性陣は概ねそんな感想を述べながらニヤニヤしているが、女性陣は……目は口ほどにものを言うを実践するかのように、氷点下の眼で私を睨み付けている。怖っ。
「お前が女性をそんなに近くに置くとは……青天の霹靂だな」
美男美女の並ぶ中、一際渋カッコイイ中年の男性が声を掛けた。イケオジ代表みたいな人だ。
思わず「カッコイイ」と呟くと、隣からチッと舌打ちがする。
「こいつは僕に怪我をさせた奴です」
ザワッとその場がざわめく。
「だから世話をさせてやっている」
剣持さんに言った言葉を繰り返す。
「フーン、違うだろう。あまりに可愛いので側に置きたくなったんだろう?」
またチッと舌打ちすると「お見通しか」と副社長が忌々しげに呟いた。