ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ
「お前は『可愛い』の真髄を知らないんだな」
『真髄』とは、物事の最も肝心な点という意味だが……。
「よく聞け! ことわざにもあるだろう『バカな子ほど可愛い』あれだ」
それって……親は賢い子より愚かな子のほうが気に掛かり、不憫で可愛く思えるという意味ではなかっただろうか?
――ということは私は不憫な子ということか?
「だからバカでもお前は可愛い」
その言い方、何気にバカにしていないか?
ムッとしていると、副社長がフッと口元を綻ばせる。
「子供の笑顔は親へのご褒美だ。親は子供の幸せを願い。いつも笑顔であって欲しいと思っている」
私が瑞樹に思っていることだ。
「だが、逆も然りだ。子供は親の笑顔が好きだ。その笑顔に包まれて初めて幸せだと思えるんだ」
確かにその通りだ。
「但し、子供は敏感だ。作り笑いなどバレバレだ。だから……」
副社長がニッコリと笑う。
「僕たちが本当に幸せにならないとな」
「――そうですね」
ん……? 返事をしたものの何となく言葉のニュアンスが……意味不明だ。
『僕たちが』ではなく『僕たちは』ではないだろうか?
留学とか何やらで外国生活が長かったと聞いている。そのせいだろうと思うが……。
『真髄』とは、物事の最も肝心な点という意味だが……。
「よく聞け! ことわざにもあるだろう『バカな子ほど可愛い』あれだ」
それって……親は賢い子より愚かな子のほうが気に掛かり、不憫で可愛く思えるという意味ではなかっただろうか?
――ということは私は不憫な子ということか?
「だからバカでもお前は可愛い」
その言い方、何気にバカにしていないか?
ムッとしていると、副社長がフッと口元を綻ばせる。
「子供の笑顔は親へのご褒美だ。親は子供の幸せを願い。いつも笑顔であって欲しいと思っている」
私が瑞樹に思っていることだ。
「だが、逆も然りだ。子供は親の笑顔が好きだ。その笑顔に包まれて初めて幸せだと思えるんだ」
確かにその通りだ。
「但し、子供は敏感だ。作り笑いなどバレバレだ。だから……」
副社長がニッコリと笑う。
「僕たちが本当に幸せにならないとな」
「――そうですね」
ん……? 返事をしたものの何となく言葉のニュアンスが……意味不明だ。
『僕たちが』ではなく『僕たちは』ではないだろうか?
留学とか何やらで外国生活が長かったと聞いている。そのせいだろうと思うが……。