ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ
「うちは超過保護だったぞ。シッターは三人いたし、菌をうつされるような環境は存在しなかった」
何とまぁ、開いた口が塞がらないとはこのことだ。
新堂の両親も相当な過保護だったが、二人の視線の先にはまず兄がいて、私に対しては顔の露出以外、さほど影響はなかったが……その反動でなのか兄が超シスコンで煩かった。
「それはお気の毒様でした」
だからチョッピリだが副社長の状況が見て取れた。
「なぜだ? 気の毒なのは……」と赤い顔をした瑞樹を見る。
「ええ、副社長は気の毒です。闘うことが出来なかったから」
「何と闘うのだ?」
「病気とです。瑞樹は今、病気と必死に闘っています。カッコイイでしょ?」
ハァハァと荒い息を吐き出す瑞樹の頭をソッ撫でる。
副社長がジッと瑞樹を見つめる。
「――カッコイイかは別にして、行くぞ!」
瑞樹を膝に置いた副社長が車椅子を押せと目で合図する。
「なら、僕は闘う瑞樹を助けるヒーローだ!」
イマイチ私の言葉を理解していないように感じるが……得てして、父親とはこういうものかもしれないと我が父を思い出す。
兄のことはちょっと横に置き、姉が家を出たとき、一番荒れたのは父だった。
何とまぁ、開いた口が塞がらないとはこのことだ。
新堂の両親も相当な過保護だったが、二人の視線の先にはまず兄がいて、私に対しては顔の露出以外、さほど影響はなかったが……その反動でなのか兄が超シスコンで煩かった。
「それはお気の毒様でした」
だからチョッピリだが副社長の状況が見て取れた。
「なぜだ? 気の毒なのは……」と赤い顔をした瑞樹を見る。
「ええ、副社長は気の毒です。闘うことが出来なかったから」
「何と闘うのだ?」
「病気とです。瑞樹は今、病気と必死に闘っています。カッコイイでしょ?」
ハァハァと荒い息を吐き出す瑞樹の頭をソッ撫でる。
副社長がジッと瑞樹を見つめる。
「――カッコイイかは別にして、行くぞ!」
瑞樹を膝に置いた副社長が車椅子を押せと目で合図する。
「なら、僕は闘う瑞樹を助けるヒーローだ!」
イマイチ私の言葉を理解していないように感じるが……得てして、父親とはこういうものかもしれないと我が父を思い出す。
兄のことはちょっと横に置き、姉が家を出たとき、一番荒れたのは父だった。