ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ
「お前の前でカッコ付ける必要があるのか?」
そんな疑問を投げかけれても……何と答えればいいのか分からない。
「ほら、即答できないということは、そんなの必要ないということだ」
胸を張って威張る副社長に、溜息しか出ない。
「さぁ、行くぞ」
顎を上げて車椅子を押せと合図する。
仕方なしにご希望通りにしてあげる。
「出てくるまで帰るな」
そう言って副社長は男子トイレに消える。
「男子トイレまで一緒に来い」と言われないだけマシだと思い、私も化粧室に入る。
個室から出て手を洗っていると、「山本さん」と声がかけられる。鏡越しに秘書補佐五人の姿が目に映る。
揃いも揃ってその顔は鬼のようだ。
前回もだったが、毎度毎度トイレで苛め? ティーンエイジャーか!
溜息も出ない。
「どういうこと?」
口火を切ったのは葵だ。
「どういうこととはどういうことでしょうか?」
惚けたが分かっている。副社長との噂のことだろう。
「馬鹿にしているの?」
「そうよ、結婚の話よ!」
案の定だった。
そう言えば彼女たち五人は花嫁候補だった。
「おまけに剣持様まで誑かして、貴女、何様なの!」
真っ赤なルージュを引いた……この子は確かこの中で一番年下の……茜だ。彼女が怒りに任せて地団駄を踏む。
そんな疑問を投げかけれても……何と答えればいいのか分からない。
「ほら、即答できないということは、そんなの必要ないということだ」
胸を張って威張る副社長に、溜息しか出ない。
「さぁ、行くぞ」
顎を上げて車椅子を押せと合図する。
仕方なしにご希望通りにしてあげる。
「出てくるまで帰るな」
そう言って副社長は男子トイレに消える。
「男子トイレまで一緒に来い」と言われないだけマシだと思い、私も化粧室に入る。
個室から出て手を洗っていると、「山本さん」と声がかけられる。鏡越しに秘書補佐五人の姿が目に映る。
揃いも揃ってその顔は鬼のようだ。
前回もだったが、毎度毎度トイレで苛め? ティーンエイジャーか!
溜息も出ない。
「どういうこと?」
口火を切ったのは葵だ。
「どういうこととはどういうことでしょうか?」
惚けたが分かっている。副社長との噂のことだろう。
「馬鹿にしているの?」
「そうよ、結婚の話よ!」
案の定だった。
そう言えば彼女たち五人は花嫁候補だった。
「おまけに剣持様まで誑かして、貴女、何様なの!」
真っ赤なルージュを引いた……この子は確かこの中で一番年下の……茜だ。彼女が怒りに任せて地団駄を踏む。