君の隣でその白いドレスを着たくて
「梨々さんはなんの競技に出るの?」
「さっきひとつ終わったから、あとはリレーかな。」
「そっかぁ。1個終わったのかぁ。
ざんねん。ちょっと遅かったな。」
「でもでも、梨々の本当の見せ場はリレーですから!」
佳奈がなぜかガッツポーズをしながら、そんなことを言う。
「ふふ。そうですか!
楽しみだなぁ。」
あたしたちがそんなふうに会話しているところを、走って横切った人がいた。
視界に入ってなんとなくみてみると、五十嵐先輩のようだった。
・・・なぜかすごく急いでいるようだけれど、なにかあったのかな。
五十嵐先輩は、困惑しているような、驚いたような、でもなんだか嬉しそうな、よくわからない表情をしていた。