君の隣でその白いドレスを着たくて
「あ・・・、幸樹くんなら、体調が悪いって・・・。」
きっと話が聞こえてしまっていたのだろう。
隣に座る新海さんが、そう教えてくれた。
「そうなんだ。
あ。じゃあ梨々、お見舞いに行ってみれば?」
「えっ!?」
「だって心配でしょー?」
「いや、そりゃまあ・・・。」
「ほらやっぱり。
行ってきなよ、お見舞い。」
「でも五十嵐先輩の家の場所なんて知らないし・・・。」
「新海さんに聞いてみたら?
ねっ?新海さん。」
「うん。家の住所ならわかるよ。」
「ほらぁ。行ってきなよー。」
───
そんなこんなで、ただいま五十嵐先輩の家の前。
14階建てのマンションの8階804。
エントランスのインターフォンに804と入力して、呼び出しのボタンを押すのに数分心の準備が必要だった。