君の隣でその白いドレスを着たくて
久しぶりの彼
あれから2週間経った。
“コウ”と会うことはない。
別に会いたくもないけれど、電話がかかってきたときの彼のあの表情が、頭から離れないでいた。
「どうしたの、梨々(りり)。恋わずらい?」
「佳奈(かな)。変なこといわないでよ。そんなわけがないでしょ。」
佳奈は高校に入って仲良くなった子。
席が近くて、佳奈もクラスに知り合いがいなかったから、自然と仲良くなった。
「えー、残念。」
「残念って・・・。」
「じゃあなんで最近ぼーっとしているの?
少し元気がないようにも思えるし。」
「そんなことないよ?元気だし。」
「そう?」
「うん。」
佳奈とそんな話をしているときだった。
廊下から、耳が張り裂けんばかりの女子のきゃーきゃー言う声が聞こえる。