君の隣でその白いドレスを着たくて
昔から新海さんを好きで、ずっと新海さんを想ってきたのに、
ぽっと出のあたしなんかが、そんな新海さんで埋め尽くされている先輩の心に入り込む隙間なんていうのは、1ミリもないと思う。
新海さんをどんなに羨ましく思っても、
先輩をどんなに想い続けても、
たとえ新海さんの記憶が戻らなくても、
五十嵐先輩に新海さん以外の選択肢は、ない。
先輩自身もそう言ってたし、傍から見ても、そりゃそうだと納得してしまう。
「梨々。諦めるつもりなの?」
「諦めるっていうか・・・、最初から諦めてたっていうか。」
「どういう意味?」
「・・・先輩には、ずっと想ってる大切な人が、既にいるんだよ。」
「それって・・・、もしかして、新海さん?」