君の隣でその白いドレスを着たくて
第5章
あたしの好きな人
とある休日。
体育祭の日以降も、大斗さんに度々誘われて、予定が合えば何度か会うこともあった。
そして今日も一緒に映画に行かないかと誘われ、ふたりで映画館に来ている。
この作品は以前、広告をみて、面白そうだねと話していた作品だった。
大斗さんはそういう何気ない会話もよく覚えてくれていて、それがなんだか嬉しくて、つい誘いに乗ってしまうことも多い。
「梨々さんはポップコーン買う派?」
「うーん。ドリンクは買うこともあるけど、ポップコーンは買わない派かな。
観るのに集中してると、全然食べられなくて…。
大斗さんは?」
「僕も買わない派。しかも理由も梨々さんと一緒。
けどたまーに食べたくなるんだよなぁ。」
「あたしもポップコーンの匂いにつられてつい買っちゃう時ある。」
「映画館の匂いって僕達にポップコーン買わせにきてるよね。」
「ね!ずるい。」