君の隣でその白いドレスを着たくて




結局ポップコーンは買わず、ドリンクだけ購入してスクリーンに入る。


公開されて間もない作品のため、結構席がうまっていて、カップルと思われる男女もしばしば見かけられた。


あたしたちも周りから見たらカップルに見えるのかな……。


結局大斗さんの告白に答えることなく、今日までやってきた。

答えが欲しいと言われたわけでもないし、そもそもまだ大斗さんが自分のことを好きだと思ってくれているのかさえもわからない。

あれから1年弱経っているし、気が変わっていてもおかしくない。


そういえば、大斗さんと出会った頃は、五十嵐先輩のことなんて、感じの悪い先輩でしかなかった。

あの頃のあたしからしたら、今あたしが先輩のことを好きだなんて、想像もつかないことだろう。



「楽しみだね。」



そう言って隣でニコニコしている大斗さんの方が絶対に良いのに、って思うはず。



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